位相

位相幾何学
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位相

\(\mathcal{O}\)は集合\(X\)の部分集合族とする。
このとき、\(\mathcal{O}\)が位相であるとは、次の条件を満たすもの。

(1)\( \emptyset ,X \in \mathcal{O}\)

(2)\(^{\forall}O_1,O_2 \in \mathcal{O}\)について\(O_1 \cap O_2 \in \mathcal{O}\)

(3)\(^{\forall}\{O_\lambda \}_{\lambda \in \Lambda} \subset \mathcal{O}\)について\( \cup_{\lambda \in \Lambda} O_\lambda \in \mathcal{O}\)

このとき、位相\(\mathcal{O}\)の元をXの開集合とよぶ。

さて、一見すると抽象的でなかなかわかりづらい。

一つ一つみていこう。

1行目

\(\mathcal{O}\)は集合\(X\)の部分集合族とする。

集合と集合族の関係を知る必要がある。

部分集合と部分集合族

\(X\):集合 \(\)

\(A\)が部分集合である(\(A \subset X\))とは、\(^{\forall}a\in A\)について\(a\in X\)となること。

\(\mathcal{A}\)がXの部分集合族であるとは、\(\mathcal{A}\)の全ての要素がXの部分集合であること。

例えば、ONE PIECEで考えてみよう。

XをONE PIECEのキャラクター全体の集合とする。このときXの要素はキャラクターとなる。
そうすると麦わら海賊団やフォクシー海賊団についても考えることができる。
麦わら海賊団の要素は、ニコ・ロビンなどのキャラクターとなる。
フォクシー海賊団についても同様に、要素はキャラクターとなる。
しかし海賊団全体の集合は、麦わら海賊団やフォクシー海賊団などの海賊団が要素となる。

このとき、麦わら海賊団(フォクシー海賊団)をXの部分集合とよび、海賊団全体の集合のことを部分集合族とよぶ。

部分集合の確かめ方は定義通り確かめればよくて、ONEPIECEを例に示す。
どんな麦わら海賊団のキャラクターを選んでも、すなわちルフィもゾロもナミもウソップも…
全てONE PIECEのキャラクター全体に入っている。
よって麦わら海賊団はONE PIECEのキャラクター全体の部分集合となる。

条件(1)

(1)\( \emptyset ,X \in \mathcal{O}\)

再確認しておくと部分集合族\(\mathcal{O}\)の要素は部分集合である。

だから「\(X\)の部分集合である\(\emptyset,X\)を部分集合族\(\mathcal{O}\)の要素に入れてくださいね。」という意味。

条件(2)

(2)\(^{\forall}O_1,O_2 \in \mathcal{O}\)について\(O_1 \cap O_2 \in \mathcal{O}\)

再確認しておくと部分集合族\(\mathcal{O}\)の要素は部分集合である。

だから\(\mathcal{O}\)の要素から任意にとってきた\(O_1,O_2\)は集合である。
だからこそ\(O_1,O_2\)の交わり\(O_1 \cap O_2\)を考えることができる。

「その\(O_1 \cap O_2\)も\(\mathcal{O}\)の要素にしてくださいね。」という意味。

添え字集合

(3)\(^{\forall}\{O_\lambda \}_{\lambda \in \Lambda} \subset \mathcal{O}\)について\( \cup_{\lambda \in \Lambda} O_\lambda \in \mathcal{O}\)

この\(\lambda,\Lambda\)は何かと思うかもしれないが、数列を思い出して欲しい。
私たちは数列の要素を\(a_1,a_2,a_3, \cdots \)と下にナンバリングしていた。
このナンバリングをして、要素それぞれを確認することができた。
(マイナンバーを国民に与えて管理するのをイメージしてもらったら良い。)

しかし、日本国民のように数え切れるような場合だとその方法で良いが、
実数全体の集合\(\mathbb{R}\)のように、要素が無限個ある集合はナンバリングできない。

そのような問題を解決するために、添え字集合\(\Lambda\)というものを考える。
これは「名前が入っている集合で、Xの全ての要素に名前をつけることができますよ。」
というイメージでナンバリングの進化バージョンと思ってもらえれば良い。

さて添え字集合の話はここまでにしておいて定義(3)をみていこう。

条件(3)

(3)\(^{\forall}\{O_\lambda \}_{\lambda \in \Lambda} \subset \mathcal{O}\)について\( \cup_{\lambda \in \Lambda} O_\lambda \in \mathcal{O}\)

再確認しておくと部分集合族\(\mathcal{O}\)の要素は部分集合である。

これより\(A \subset \mathcal{O}\)と書けるAについてAの要素は部分集合であることがわかる。
すなわち、\(\{O_\lambda \}_{\lambda \in \lambda}\)の要素は部分集合である。

この\(\{O_\lambda \}_{\lambda \in \Lambda}\subset \mathcal{O}\)とは、「\(\mathcal{O}\)の要素(部分集合)から何個かとってきた集合を考えますよ。」という意味。

そのとき要素である部分集合2個だけとってきていたならば、\(\Lambda\)={佐藤,田中}とでも思って「\(O_{田中},O_{佐藤}\)と名前付けしましたよ。」と考えれば良い。
同様に要素を無限個とってきていたならば、\(\Lambda\)はその無限個分名前が入っていると思って「全ての要素に名前付けしましたよ。」と考えれば良い。

条件(3)は「その要素たちの和集合\(\cup_{\lambda \in \Lambda} O_\lambda\)も位相\(\mathcal{O}\)の要素ですよ。」という意味。

今回なるべくわかりやすく書いたつもりではあるが、位相空間について抽象的であるというイメージを持つかもしれない。

次回はそれを解決すべく、位相空間について具体例を用いながら考えていく。

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