\((X,\mathcal{O}_X),(Y,\mathcal{O}_Y)\)をどちらも位相空間とし、\(f:X \rightarrow Y\)を考える。
\(f\)が同相写像であるとは、以下の3つの条件を満たすこと。
(1)\(f\)が全単射であること。
(2)\(f\)が連続であること。
(3)逆写像\(f^{-1}\)が連続であること。
\((X,\mathcal{O}_X),(Y,\mathcal{O}_Y)\)が同相であるとは、2つの位相空間に同相写像が存在することをいう。
定義解説
今までは元々あった概念(内部、連続等)をどのように位相空間に持ち込むかという話をしてきた。
今回は位相空間をどうグループ分けするか、位相空間ならではの特徴を知るための定義である。
同相写像から見ていく。
(1)\(f\)が全単射であること。
全単射はざっくりいうと「個数が一緒だよね」ということをもっと一般化して言っている。
有限個の集合であれば、個数が一緒としていいのだが、
実数全体の集合\(\mathbb{R}\)など無限集合を考えるのに「個数が一緒」という言葉では突破できない。
そこで写像で結びつけ、全単射ということを用いて突破したという訳だ。
(2)\(f\)が連続であること。
「全単射だよね」、恐れずにいうと「個数が一緒だよね」という概念だけでは一番最初に述べた、
位相空間による特徴を探るという大義名分をはたすには、まだ不十分である。
位相空間の肝はなんといっても位相なのだ。そこで、連続の定義をもう一度確認する。
\((X,\mathcal{O}_X),(Y,\mathcal{O}_Y)\)をどちらも位相空間とする。
写像\(f:X \rightarrow Y\)が連続であるとは、以下の条件を満たすこと。
\(^{\forall}O_Y \in \mathcal{O}_Y\)について\(^{\exists}O_X \in \mathcal{O}_X \hspace{2mm}s.t.\hspace{2mm}f^{-1}(O_Y)=O_X\)
連続とは「Yの開集合それぞれにちゃんとXの開集合の相棒がいますよ。」ということだ。
これにより位相の、言い換えるとそれぞれのYの開集合にXの開集合とつないでいるのだ。
(3)逆写像\(f^{-1}\)が連続であること。
Yの開集合それぞれにXの開集合の相棒がいたとしても、逆も成り立つとは限らない。
例えばXの開集合が100個、Yの開集合が2個でYの2個の開集合にちゃんと相棒がいたとしても、
X側から見れば「いやいや、98個は独り身です。」となってしまう。
それを防ぐために(3)が設けられている。
本来写像が逆写像を持つとは言えないのだが、(1)で\(f\)が全単射であることを言っているので、
逆写像\(f^{-1}\)を考えることができる。
逆写像が連続とは「Xの開集合それぞれにちゃんとYの開集合の相棒がいますよ。」ということだ。
(2)(3)の条件によって初めてX,Yとそれぞれ漏れなく被りなく開集合をつなぐことができた。
このように同相とは、位相空間上の特徴を知るための定義されている。
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