相対位相の例

位相幾何学
スポンサーリンク

前回は相対位相の定義を解説した。(相対位相)

今回は具体的に相対位相とはどのようなものであるかを解説する。

相対位相の定義
相対位相

\((X,\mathcal{O})\)を位相空間とし、部分空間\(A \subset X\)を考える。

この時、Aに\(\mathcal{O}_A=\{O \cap A| O \in \mathcal{O} \}\)という位相をいれる。

この時、\(\mathcal{O}_A\)を相対位相といい、\((A,\mathcal{O}_A)\)を\((X,\mathcal{O})\)の部分空間とよぶ。

相対位相の定義はこのようであった。(詳しい解説は相対位相で)

今回は以下のような具体例を用いて相対位相について考えていく。

具体例

全体集合\(X=\{桃太郎,猿,キジ,犬,爺,婆,鬼\}\)とする。

Xの位相を\(\mathcal{O}=\{\emptyset , X ,\{桃太郎,爺,婆\},\{猿,キジ,犬\},\{桃太郎,爺,婆,猿,キジ,犬\}\}\)とする。

部分集合\(A=\{桃太郎,猿,鬼\}\)の相対位相について考える。

さて、相対位相の定義は以下のようであった。

\(\mathcal{O}_A=\{O \cap A| O \in \mathcal{O} \}\)

それでは部分空間における開集合を調べていく。

まず、\(\mathcal{O}\)から\(\emptyset\)をとって確認する。

しかし、これは\(A\)の要素を確認するまでもなく、\( \emptyset \cap A =\emptyset\)となる。

次に、\(\mathcal{O}\)から\(X\)をとって確認する。

しかし、これも\(A\)が\(X\)の部分集合であることを踏まえれば、
\(A\)の要素を確認するまでもなく\( X \cap A =A\)となる。

ここから本腰を入れて調べていく。

\(A=\{桃太郎,猿,鬼\}\)
\(\{桃太郎,爺,婆\} \cap A= \{桃太郎\}\)

\(\{猿,キジ,犬\} \cap A = \{猿 \}\)

\(\{桃太郎,爺,婆,猿,キジ,犬\} \cap A=\{桃太郎,猿\}\)

よって相対位相は\(\mathcal{O}_A=\{\emptyset,A,\{桃太郎\},\{猿 \},\{桃太郎,猿\}\}\)となる。

相対位相の中身も位相のチェックをすると、きちんと位相になっている。
(位相のチェックについては位相 具体例)

このように相対位相は確認すれば良い。

コメント

タイトルとURLをコピーしました