積空間

位相幾何学
スポンサーリンク
積位相

\((X,\mathcal{O}_X),(Y,\mathcal{O}_Y)\)を位相空間とする。

直積集合\(X \times Y\)に以下のように位相を定める。

\(\mathcal{B}=\{U \times V| U \in \mathcal{O}_X,V \in \mathcal{O}_Y\}\)を基底とし、これにより生成される位相を\(\mathcal{O}_{X\times Y}\)とする。

この時、\((X \times Y,\mathcal{O}_{X\times Y})\)を積空間、\(\mathcal{O}_{X\times Y}\)を積位相とよぶ。

定義解説

今まで、距離空間にある概念を位相に移行していくことをしてきた。

今回は\(\mathbb{R}^2\)をのような概念を位相に移行していく。

直積集合\(X \times Y\)に以下のように位相を定める。

\(\mathbb{R}^2\)では、\((1,3)\)という点のように1つの組を要素として見てきた。

決して、\(x\)を要素とも思わず、\(y\)を要素とも思わず、\((x,y)\)を要素として見てきた。

このように\((x,y)\)を要素として見てきたということは、全体集合は\(X\)でも\(Y\)でもない。

このことを踏まえると、直積集合\(X\times Y\)を考える意味がわかる。
(ちなみに\(\mathbb{R}^2\)は直積集合\(\mathbb{R}\times \mathbb{R}\)のこと。)

\(\mathcal{B}=\{U \times V| U \in \mathcal{O}_X,V \in \mathcal{O}_Y\}\)を基底とし、位相\(\mathcal{O}_{X\times Y}\)を構成する。

位相の基底の定義は以下のようである。(詳しくは基底(位相における))

基底(位相における)

\(\mathcal{B}\)が\(X\)の位相\(\mathcal{O}\)の基底であるとは、以下の条件を満たすもの。

(1)\(\mathcal{B}\subset \mathcal{O}\)

(2)\(^{\forall}B_1,B_2\in \mathcal{B}\)について\(B_1\cap B_2 \in \mathcal{B}\)

(3)\(]^{\forall} O \in \mathcal{O}\)について\(\exists \{B_\lambda \}_{\lambda \in \Lambda} \subset \mathcal{B} \hspace{2mm}s.t.\hspace{2mm}O=\cup_{\lambda \in \Lambda}B_\lambda\)

また、基底によって生成される位相は一意に定まるのだった。
(詳しくは基底によって生成される位相の一意性)

これによって位相が定められた。

全体集合と位相を定めることができたので、無事\(\mathbb{R}^2\)をのような概念を位相に移行できた。

おまけ

位相を定める時になぜ基底という概念をわざわざ使ったのだろうか。

シンプルに位相の条件をズバッと書き表すことはできなかったのか。

次回は積位相が基底によって定められる理由を考察する。

コメント

タイトルとURLをコピーしました