平行線がない世界は構築可能か?(ロードマップ編)

平面幾何学
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あらすじ

中立幾何にEPPという条件を付与するとユークリッド幾何になった。
(詳しくはユークリッド幾何)

また、中立幾何にHPPという条件を付与すると双曲幾何になった。
(詳しくは双曲幾何)

EPPとHPPの主張は以下のようであった。

EPP(ユークリッドの平行線公理)

\(^{\forall }l\in \mathcal{L},^{\forall }P \in \mathcal{P}(P\notin l)\)について、

\(^{\exists_1 }l’ \ni P \hspace{2mm}s.t.\hspace{2mm}l\parallel l’\)
HPP(双曲平行線公理)

\(^{\forall }l\in \mathcal{L},^{\forall }P \in \mathcal{P}(P\notin l)\)について、

\(^{\exists }l_1 \ni P,l_2 \ni P(l_1\neq l_2) \hspace{2mm}s.t.\hspace{2mm}l\parallel l_1,l\parallel l_2\)


EPPは「どんな直線とその直線上にない点の組合せでも、平行線は必ず1本だ」と主張する。

HPPは「どんな直線とその直線上にない点の組合せでも平行線は必ず2本以上だ」と主張する。

残りの考えられる世界としては
「どんな直線とその直線上にない点の組合せでも、平行線は必ず引けないよね」
「平行線の本数は点と直線の組合せによって違うよね」
という2つの世界だ。


「どんな直線とその直線上にない点の組合せでも、平行線は必ず引けないよね」という世界は
中立幾何において構成可能かということが今回のテーマである。

平行線のない世界はあるのかのロードマップ

次の大まかな手順でこの疑問を解決していく。
外角定理→AIAT→共通垂線を持つと平行線→DPC

ネタバレは怖いので、それぞれをざっくりとだけどんなものかを解説する。

外角定理…三角形の外角というものを定義し、外角と内角を比較した主張。

AIAT…錯角対というものを定義し、平行線と錯角対の関係を示した主張。

共通垂線を持つと平行線…共通の垂線を持つものは平行線になるという主張。

DPC…今回の平行線のない世界について決着をつける主張。

しかしこの4つそれぞれをたやすく証明することができたら良いのだが、簡単なものでない。

今回はこのロードマップを踏まえてこれからそれぞれを探索するのだなと思ってもらったら良い。

おまけ

今回の「どんな直線とその直線上にない点の組合せでも、平行線は必ず引けないよね」の世界と

次回の「平行線の本数は点と直線の組合せによって違うよね」の世界の決着をつけると

私たちは中立幾何の分離について驚くべき事実を目の当たりにする。

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