境界に関する問題(質問)

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P.N.そうくんから以下のようなご質問をいただきました。(一部変更)
ご質問ありがとうございます。
質問は以下から受け付けておりますので、よろしければご連絡ください。
(ご質問がある方)

問題

\((X,\mathcal{O})\)を位相空間とし、\(A\)を\(X\)の部分集合とする。

部分集合\(A\)が\(X\)で開集合かつ閉集合である時、\(A^f=\emptyset \)となることを証明せよ。

\(A^f\)は\(A\)の境界とする。

おさらい
境界

\((X,\mathcal{O})\)を位相空間とする。

部分集合\(A \subset X\)について

\(A\)の境界とは、\(X-A^{。} \cup A^{e}\)のこと。(記号:\(A^{f}\))

境界とは全体集合から内部と外部を取っ払ったものだった。

ちなみに内部と外部の定義は以下のようである。

内部

\((X,\mathcal{O})\)を位相空間とする。

部分集合\(A \subset X\)について

\(A\)の内部とは、\(A\)に含まれる最大の開集合のこと。(記号:\(A^{。}\))

外部

\((X,\mathcal{O})\)を位相空間とする。

部分集合\(A \subset X\)について

\(A\)の外部とは、\(X-A\)の内部のこと。(記号:\(A^{e}\))

問題解説
問題

\((X,\mathcal{O})\)を位相空間とし、\(A\)を\(X\)の部分集合とする。

部分集合\(A\)が\(X\)で開集合かつ閉集合である時、\(A^f=\emptyset \)となることを証明せよ。

\(A^f\)は\(A\)の境界とする。

さて、示すことは境界について空であることだ。

境界の定義は全体集合から内部と外部を取っ払ったものなので、
内部と外部を初手はこの2つの正体を明らかにすることだ。

内部と外部

さて内部とは\(A\)内の最大の開集合である。
しかし今回は\(A\)自身が開集合であるため、最大の開集合はまさに\(A\)となる。

さて、外部とは\(X-A\)内の最大の開集合である。
しかし今回は\(A\)自身が閉集合であるため、\(X-A\)は開集合となる。
よって\(X-A\)内の最大の開集合はまさに、\(X-A\)そのものとなる。

境界

何度もいうが、境界とは全体集合から内部と外部を取っ払ったものである。

今回は内部が\(A\)、外部が\(X-A\)でありこれを全体集合\(X\)から取っ払うのである。

しかし内部は\(A\)で外部は\(X\)の\(A\)以外の部分であると言っている。

それを取っ払ってしまったら残るものなど何もない。よって空集合となるというお話である。

解答例
問題

\((X,\mathcal{O})\)を位相空間とし、\(A\)を\(X\)の部分集合とする。

部分集合\(A\)が\(X\)で開集合かつ閉集合である時、\(A^f=\emptyset \)となることを証明せよ。

\(A^f\)は\(A\)の境界とする。

\(A\)が開集合であることから、\(A^{。}=A\)

\(A\)が閉集合であることから\(X-A\)は開集合となる。

\(X-A\)が開集合であるから\(A^{e}=X-A\)

これより\(A\)の境界は\(A^f=X-(A^{。}\cup A^{e})=X-(A\cup X-A)=X-X=\emptyset\)となる。

よって、問いは示された。

おまけ

境界という概念は内部と外部と並列に紹介される事が多いが、内部と外部という言葉を用いて定義されているため、2つに比べて理解がしにくい。

定義が厄介なときは困難を分割して一つ一つ階段のように問題を捉えると解く事ができる。

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